ご質問のケースでも慰謝料が発生する可能性はあると思います。
一般に、婚姻関係破綻後の「不貞行為」は慰謝料を発生させないと言われています。
ただ、問題は、いつ婚姻関係が破綻したと評価できるのかです。
例えば、夫が一方的に別居の宣言をして、別居開始直後に妻が夫の別居後の不倫の証拠を握り、夫に慰謝料を請求したところ、夫が「別居したのだから婚姻関係は破綻している。だから慰謝料は発生しない」などと言ってそれが通ってしまったとしたら、それは社会の正義感とはそぐわないでしょう。
別居してからどのくらいの年月か経過したら婚姻関係が破綻するなどと明確な線引きができるわけではありませんし、別居の期間だけで決まるわけではありませんが、ご質問のような別居後すぐと思われるような事案では婚姻関係が破綻していると評価されることは少ないものと思われます。
中日新聞「暮らしの法律相談コーナー」
2020年11月17日掲載
ご質問のケースのように、いわゆるモラルハラスメント(言葉や態度による精神的な暴力や嫌がらせ)が原因で別居や離婚に至る事案が最近増えているのですが、モラルハラスメントの加害者側には罪悪感や加害者意識がみられないケースが多々あり、生活費(婚姻費用)の支払いを拒むことも少なくありません。
生活費をお願いしても夫が支払ってくれない場合には、弁護士を立てて交渉するか、あるいは裁判所の調停手続を利用することをおすすめします。
調停手続は時間がかかるイメージがありますが、生活費に困っていることを裁判所に適切に説明することで、調停が成立する前でも生活費の全部または一部を夫から支払ってもらえることがあります(婚姻費用の仮払と呼ばれています)。
また、世帯主である夫に支給される児童手当についても、妻側に支給先を変更できることがあります。
適切なタイミングと方法で生活費の請求をして、ご自身とお子様の生活を守って頂きたいと思います。
中日新聞「暮らしの法律相談コーナー」
2020年7月29日掲載
離婚するしないに関わらず、以下の2つが重要だと思います。
1つ目は浮気の証拠を集めることです。夫や浮気相手の女性に慰謝料を請求する場合、証拠の有無が決定的に重要です。探偵の調査報告書、夫と女性とのLINEやSNSでのやりとり、夫と女性との手紙、夫の車のドライブレコーダー等が証拠になり得ます。ただ証拠は時間が経つと消えてしまう危険があるので、早い段階で証拠を集めておく必要があります。
2つ目は奥様とお子様の生活費(婚姻費用)を確保することです。この生活費は適切なタイミングと方法で請求をしておかないと、請求をしていなかった期間の生活費をもらえなくなってしまう危険があります。奥様とお子様が生活していくための大切なお金ですので、夫に対して適切に請求をして頂きたいと思います。
質問のような浮気に関する事案では、誰にも相談できずに奥様が孤立してしまうケースも多い印象です。弁護士はどのような状況でも相談する方の理解者であり味方ですので、弁護士にご相談の際は些細なことでもお話し頂きたいと思います。
中日新聞「暮らしの法律相談コーナー」
2020年3月23日掲載